正しい英語なのに翻訳っぽく聞こえる理由:日本語話者に多い6つの癖
自分で書いて、文法も確認した。それなのに、読み返すと銀行からの通知文のように見える。
結論: 日本語の発想をそのまま英語の語順や敬語表現に移すと、文法が合っていても不自然になります。英語の仕事文は短く、要点が先で、謝罪や挨拶も軽いのが基本です。以下の6つの典型例で確認できます。
英語の仕事メールは、文法の誤りよりも「リズム」で外国語話者だとわかることが多いものです。日本語で組み立てた文を一語ずつ英語に置き換えると、丁寧で、完全で、硬い文になります。ここでは、日本語を母語とする人が英語を書くときに起きやすい典型的なパターンを6つ取り上げます。特定の誰かの文面ではなく、よくある型として作った例文です。
なぜ日本語の発想が英語に残るのか
理由は主に四つあります。
- 日本語は主語を省くのが自然ですが、英語は文ごとに主語が必要です。
- 日本語には冠詞(a、the)がなく、名詞の単数・複数も形で示しません。
- ビジネスの日本語には「お世話になっております」「申し訳ございません」など、意味よりも関係を整える定型句があります。
- 丁寧さの表し方が違います。日本語は敬語の形で丁寧さを出しますが、英語は短く、はっきり頼むほうが丁寧に聞こえることが多いです。
つまり、間違いというより「別の言語のルールを持ち込んだ結果」です。これを意識するだけで、読み返しのときに見つけやすくなります。
6つのパターン
1. 冠詞と複数形が落ちる
「ファイルを確認してください」には冠詞が要らないので、そのまま英語にすると a や the が抜けます。また「情報」は日本語では数えられる感覚があるため、informations と書いてしまう人がよくいます。information は数えられない名詞で、複数形にしません。
- Please check attached file. I sent you the informations.Please check the attached file. I sent you the information.
- Please check the attached file.I've attached the file. Let me know if anything is unclear.
2. 主語が消える
日本語では「確認しましたが、質問があります」と主語なしで自然に書けます。同じ調子で英語を書くと、文が未完成に見えます。チャットでは「Will do.」のように主語を省く言い方もありますが、メールの文では主語が必要です。
- Thank you for your email. Checked the attachment, but have some questions.Thank you for your email. I checked the attachment, but I have some questions.
- Thank you for your email. I checked the attachment, but I have some questions.Thanks for the email. I checked the attachment and have a couple of questions.
3. 「わかりました」を I understood と言う
日本語の「わかりました」は、過去形の形をしていても今の返事です。英語の I understood は「(そのとき)理解した」という過去の報告になり、返事としては少し不自然です。一語で返すなら Understood. か Got it. が自然です。
- I understood. I will do it.Understood. I will do it.
- Understood. I will do it.Got it. I'll take care of it.
4. 「お世話になっております」をそのまま訳す
日本のビジネスメールの冒頭の定型句です。直訳した Thank you for always taking care of me. は、世話をされる側の人の言い方に聞こえてしまいます。Thank you for your continued support. という英語の定型句はありますが、取引先やお客様向けで、同僚には硬すぎます。英語では、名前と用件から始めるのが普通です。
- Thank you for always taking care of me.Thank you for your continued support.
- Thank you for your continued support.Hi Emma, thanks for sending the schedule.
5. 謝罪が重なる
「お待たせして申し訳ありません」「ご迷惑をおかけしました」と、謝罪を二重、三重に重ねるのは日本語では丁寧ですが、英語で同僚に一日遅れた返信で同じことをすると、何か大きなトラブルがあったように読まれることがあります。軽い遅れなら、短い謝罪を一つにして、すぐ本題に入ります。深刻なミスのときは、きちんと謝るのが正しいです。
- I sincerely apologize for the delay in my reply and for causing you any inconvenience.I'm sorry for the delay.
- I'm sorry for the delay.Thanks for your patience! Here's the file.
6. 「教えてください」を teach で言う
日本語の「教える」は、情報を伝えるときにも使います。英語の teach は、学問や技能を教えるときの動詞で、会議の時間のような情報を聞くときには使いません。tell か let me know を使います。
- Please teach me the meeting time.Please tell me the meeting time.
- Please tell me the meeting time.Could you let me know what time the meeting is?
直すときの順番
- 文法の誤りを先に直す。冠詞、複数形、主語、動詞の形。ここは正解があります。
- 定型句を外す。日本語の挨拶や謝罪の型をそのまま訳していないか見ます。
- 要点を先に置く。何をしてほしいのか、一回読んで伝わるかを確認します。
最後に、同僚に口で言うときと同じ温度かどうかを確かめます。大げさな言葉に置き換える必要はありません。短くして、要点を先に言えば、それだけで自然に近づきます。
nonolingoでできること
nonolingoはMac上のテキストボックスで動くアプリで、二つのモードがあります。上の1と2のような文法の誤りは、あなたの言葉を残す軽い修正(fix)が向いています。4と5のように文法は合っていても硬い文は、翻訳調を自然な口調に書き直すnative向きです。提案が気に入れば Tab、自分の文のままにするなら Esc です。
ただし、提案が正しいかどうかを最後に判断するのはあなたです。相手との関係に合う丁寧さかどうかは、あなたにしかわかりません。概要はnonolingoとは?、遅れを伝える具体的なメールは納期の延長を頼むときの書き方をご覧ください。
よくある質問
なぜ文法が合っているのに翻訳っぽく聞こえるのですか?
日本語の語順、主語の省略、敬語や挨拶の定型をそのまま英語に移すからです。文法は合っていても、英語の同僚が書くリズムや温度とは違って聞こえることがあります。そこが翻訳調の正体です。
日本語話者が間違えやすい英語の癖は何ですか?
冠詞や複数形の脱落、主語の省略、I understood、お世話になっております系の直訳、謝罪の重ね、Please teach meなどが典型的です。この記事で6つを例文つきで説明しています。
メールを自然な英語に近づけるコツはありますか?
主語を入れ、定型の挨拶と謝罪を減らし、要点を先に置いて短く書きます。難しい単語に置き換える必要はなく、同僚に話すときの温度に合わせるのが目安です。書いたら一度、声に出して読むと違和感に気づけます。
nonolingoは入力中にこうした癖を直せますか?
Macのテキストボックスで、あなたの言葉を残す軽い修正か、翻訳調を直す自然な書き直しを提案します。違いはモードのガイドで説明しています。